2007 Fiscal Year Annual Research Report
金/半導体ナノ粒子を利用した高感度化学センサーの研究開発
Project/Area Number |
06F06083
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
渡辺 茂 Kochi University, 理学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
INAMUR R.Laskar 高知大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 金ナノ粒子 / 両親媒性ブロック共重合体 / 両親媒性ブロック共重合体 / ミセル |
Research Abstract |
金や銀など貴金属ナノ粒子をナノプラットホームとするナノ化学センサーの開発には,ナノメートルサイズの金属ナノ粒子を規則正しく自在に配列させる集積化技術の開発が不可欠である。これまでに両親媒性ブロック共重合体で表面を修飾した金ナノ粒子を合成し,これをラングミューラー-ブロンジェット法を用いてシリコン基板上に集積化する方法を開発した。しかし,この方法では,合成時に混入する未反応のブロック共重合体を完全に取り除くことが難しく。金ナノ粒子を配列させる際,その規則性が損なわれてしまうことが問題となった。そこで,金ナノ粒子を合成することなくブロック共重合体のミセルを直接基板上に自己組織化した後,金イオンをミセルの親水部に導入し,金イオンの還元をブロック共重合体の分解と同時に行うことで,煩雑な精製に煩わされることなく規則的に配列した金のナノドットを作製する方法を新たに開発した。 一般に,形状の固定されたナノ粒子とは異なり,基板上に展開されたミセルは,基板表面との相互作用のために無定形になりやすい。このようなミセルからは,大きさや形状の不均一な金属ドットが形成され,化学センサーとして定量分析には向かいない。そこで,基板表面をフッ素系樹脂で前処理を施し,基板表面の表面エネルギーを低下させることで球状のミセルを規則的に自己組織化できることを突き止めた。 このようなナノ粒子の反射光・散乱光などの光学特性は,その近傍で進む抗原抗体反応など生体反応にきわめて鋭敏である。その強度変化を通じて生体反応を直接測定できる可能性を秘めており,複雑な光学系を必要としない高感度なバイオセンサーシステムの構築が期待できる。
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