2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規糖-空気燃料電池のためのナノレベルで構造制御された電気化学触媒電極
Project/Area Number |
06F06085
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷口 功 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BEN Aoun Sami 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 新エネルギー / ナノ材料 / 燃料電池 / バイオマス / 表面・界面物性 / 複合材料・物性 / 糖 |
Research Abstract |
本研究では、グルコース-空気生物燃料電池について、実用レベルの出力を有する非酵素系の電池を開発作製ことを目的として、金属ナノ粒子を組み合わせた良好な特性を有する触媒機能電極を作製するための研究を進めた。その結果、以下の結果を得た。 1、電極表面上に金属原子を電気化学的に析出させ、糖類の電気化学的な触媒酸化機能を評価した結果、単原子層以下のナノレベルのサイズで金や白金を析出させた電極は、グルコースの電気化学的酸化反応に対して触媒機能を有することを確認した。 2、カーボン電極、特に、HOPGと呼ばれる結晶性カーボン電極上に電気化学法を用いて析出させた金ナノ粒子担持電極は、グルコースの酸化反応に対して良好な触媒作用を示した。この触媒作用は、金ナノ粒子のサイズの変化によって,ナノ粒子表面に金(100)面が表れることに基づいていると推察された。 3、カーボン繊維電極を用いて、電気化学的に発生させた金属(金および白金)ナノ粒子を内包させた電極は、ミリアンペア/cm^2レベルの出力を有する電極となり、グルコース酸化に極めて良好な触媒電極と成ることを見いだした。 4、これらの成果は,グルコース酸化の触媒となる金属ナノ粒子を用いて,カーボン電極表面を機能化するもので、簡便に、かつ極めて少量の金属を用いて,安価で大きな面積の電極の作製を可能とするものである。 なお,現時点で、グルコース-空気生物燃料電池の特性として、出力電圧0.6〜0.8V、電流出力〜5mA/cm^2、出力電力1〜2mW/cm^2程度の生物燃料電池を作製した。また、この種のバイオ電池小型電子デバイス駆動用電源としての実用化に向けた研究を進めている。
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Research Products
(6 results)