2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規な材料設計指針に基づく希土類金属錯体材料の開発と高効率有機デバイスへの展開
Project/Area Number |
06F06088
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
村田 英幸 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIN HAO 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 有機EL / 白色発光 / 希土類金属錯体 / 有機薄膜太陽電池 |
Research Abstract |
本研究では、外国人特別研究員のXin氏がこれまでに見出してきた希土類金属錯体材料の材料設計指針を有機デバイスへと展開して、1.高効率白色EL発光材料の開発と2.高効率な有機太陽電池材料の開発を行うことを目的として研究を実施した。白色EL材料の開発に関しては、異なった希土類金属を中心金属に有する多核希土類金属錯体を合成し、単一発光材料を用いて可視域に幅広い発光スペクトルを有する有機EL素子を実現することを目指している。一方、高効率太陽電池の開発に関しては太陽電池材料として優れた性能を示すことが知られているルテニウム錯体をベースにして新規の多核錯体を合成することを計画した。特に、赤外域に吸収領域を拡大することによって太陽光の利用効率を高め飛躍的な効率向上を目指している。ここでは1について得られた結果を報告する。 3種類のテルビウム錯体(Tb(tba-PMP)3(TPPO),Tb(tba-PMP)3(H2O)EtOH、Tb(tba-PMP)3(Phen))の合成を試みた結果、比較的高い収率で目的物を得ることが出来た。得られた各化合物の粉末状態並びに蒸着膜(膜厚100m)における蛍光量子収率を測定した。結果を表1に示す。テルビウム錯体は粉末状態で66〜88%と非常に高い蛍光量子収率を示すことがわかった。一方、これらの錯体を真空蒸着することによって作成した薄膜の場合には、その蛍光量子収率が大きく減少することが分かった。例えば、Tb(tba-PMP)3(TPPO)は66%から35%へ、Tb(tba-PMP)3(H2O)EtOHでは88%から10%へまたTb(tba-PMP)3(Phen)では66%が8%と減少した。蒸着膜の元素分析を行った結果、蛍光量子収率が大きく減少したテルビウム錯体では配位していたEtOHやCHC13が脱離していることが分かった。これに対してTb(tba-PMP)3(TPPO)の場合には化学構造上の変化は認められず安定に蒸着膜を形成することが分かった。
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Research Products
(1 results)