2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経障害性の痛みの遺伝子治療を目指した非ウイルスベクターの創製
Project/Area Number |
06F06106
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DEVANG Thakor 京都大学, 再生医学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 痛み / siRNA / 末梢神経 / 非ウイルス性遺伝子キャリア / 痛み関連遺伝子 |
Research Abstract |
病気の際のみではなく、手術後においても、痛みは心にとってきな苦となっている。本研究の目的は、末梢神経特異的な遺伝子導入および発現効率の高い非ウイルス性遺伝子キャリアを研究開発し、痛みをコントロールする遺伝子やsmall-interfering RNA(siRNA)を神経細胞特異的に末梢から逆行性に導入する技術を確立することである。本年度は、神経細胞に特異的に発現している物質を認識する分子を利用した遺伝子キャリアの開発、および、in vitroならびにin vivoにおける末梢神経に対する遺伝子発現パターンを評価した。 ゼラチン、デキストラン、プルランなどの水溶性高分子に対して、エチレンジアミンあるいはスペルミンなどを化学導入したカチオン化高分子を調製することによって、プラスミドDNAあるいはsiRNAと物理化学的に相互作用することができる非ウイルス性遺伝子キャリアを創製した。得られた非ウイルス性遺伝子キャリアとプラスミドDNAとのポリイオンコンプレックスの分子サイズならびに表面電位を動的光散乱法ならびに電気泳動光散乱法を利用して評価した。さらに、得られたポリイオンコンプレックスを利用して、動物から単離した末梢神経細胞への遺伝子導入を行った。また、ラットの下肢、フットパットよりポリイオンコンプレックス投与し、末梢神経における遺伝子発現パターンについて、生化学的、および、組織学的に評価した。その結果、用いるプルランの分子量、カチオン性残基の導入率、ならびに非ウイルス性遺伝子キャリアと遺伝子との混合比を変化させることにより、ポリイオンコンプレックスのサイズと表面電位が変化することがわかった。また、ポリイオンコンプレックスの物理化学的性質がin vitroならびにin vivoにおける遺伝子発現パターンに影響をおよぼし、負に帯電するポリイオンコンプレックスを用いることにより、末梢神経の後根神経節で高い遺伝子発現を得ることができた。
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