2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の電気力学的操作とそのチップテクノロジーへの応用
Project/Area Number |
06F06108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鷲津 正夫 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TECHAUMNAT B. 東京大学, 大学院工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | エレクトロポレション / 細胞融合 / 膜電位 / 多重極展開法 / 境界要素法 |
Research Abstract |
本研究は電界の解析手法を用いて、細胞のエレクトロポレションや融合の過程における膜電圧の変化を調べた。これらの過程は細胞膜の可逆的な破壊の現象を利用するため、細胞膜を適度に充電させなければならない。更に、電気による細胞融合をさせるには膜電圧が二つの細胞の接触点付近で最大値を持っことが望ましい。本研究の解析では、マイクロオリフィスによる電界集中の細胞膜電位への効果を調べて、オリフィスなしのときの膜電位との比較を行った。解析手法は多重極展開法と境界要素法を用いた。 多重極展開法の解析結果では、オリフィスなしのときに、一様電界下で接触している細胞の最大膜電位が接触点付近ではなく反対側の極に位置した。そのため、細胞融合の成功率が低いことが分かった。 数値的な境界要素法は、細胞がマイクロオリフィスにある場合に適用された。その解析結果から(1)エレクトロポレションのときに、オリフィス上の膜電位が他の部分よりはるかに高い(2)細胞融合のときに細胞がオリフィス上下に位置すると、その接触点に最大膜電位を起こす、ということが分かった。さらに、オリフィスの大きさ、オリフィスと細胞とのリーク、これらが十分小さければ、ほとんどの印加電圧がオリフィス上下にある細胞膜にかかることが分かった。 以上の解析結果からマイクロオリフィスの有用性が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)