2006 Fiscal Year Annual Research Report
三元磁性半導体ナノウィスカーの自己組織化MBE成長と物性評価
Project/Area Number |
06F06112
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 勝昭 東京農工大学, 本部, 理事
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALEXEI D. Bouravleuv 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノウィスカー / 気相・液相・固相成長 / 自己組織化成長 / ゲルマニウム / リン化マンガン / 分子線エピタキシャル成長 |
Research Abstract |
本研究では、新しい三元化合物MnGeP_2薄膜のMBE成長を行っている過程において、基板温度を上げた場合に、試料表面が自己組織化ナノウィスカーで覆われることを見出した。成膜はMBE装置を用いて行った。MnとGeはK-セルから供給し、PはTBPをクラッキングセルで分解してガスソースとして供給した。基板としてInP(001),GaAs(100),GaAs(111)_B,SrTiO_3などを用いた。作製条件はMnGeP_2の成長条件と基本的に同じであるが、基板温度のみ変化した。得られたウィスカーは、SEM, STEM, EDX, XRD, SQUIDによって評価した。基板温度435℃で作製したものには孤立したロッド状のナノウィスカー形状を示した。500℃以上で作製したものは集合体であった。STEM付属のEDX観察より、ナノウィスカーはGeおよびMn-Pであることが明らかになった。Geウィスカーの直径は30nm付近、長さは最大2μmであり、基板の<110>結晶軸方向に成長していた。Geウィスカーの成長と同時にMn-Pナノウィスカーの成長が起きたが、成長温度の増加とともに成長量は減少した。通常、半導体ナノウィスカーの成長にはAuなど金属が液体形成のための触媒元素として使われるが、この実験においてはAuなしにGeナノウィスカーの成長が観測されている。高分解TEMにより、Mn系のナノクラスター(Mn:P:Ge 78:5:6)が成長初期に形成され、VLS機構に従うGeウィスカーの溶液成長が起きたことを示唆した。Mn-PナノウィスカーはGeのK-セルを使用せずに成長した。得られたMn-Pナノウィスカーのサイズは長さ最大30μm、幅最大600nmで、終端のクラスターなしにファセット成長した。SQUID磁束計を用いて、ウェハーから剥離されたウィスカーの磁化の温度および磁界依存性を測定したところ、室温まで強磁性的な磁化が観測された。磁化の温度特性はMnGeP_2薄膜のそれとは異なっていた。
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Research Products
(4 results)