2006 Fiscal Year Annual Research Report
伸展調節による骨髄幹細胞の増殖・分化による腱/靭帯の線維芽細胞の生成
Project/Area Number |
06F06117
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
巨 陽 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SONG Guanbin 東北大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 骨髄幹細胞 / 細胞増殖 / 細胞分化 / 細胞伸展 / マイクロ波 / 腱 / 靭帯 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
近年、細胞を利用して生体の治癒力を高め、生体組織を再生しようという再生医療の試みが注目されている。再生医療の目的は、細胞を利用した生体組織の再生と臓器機能の代替による病気の治療である。この実現には、再生現象にかかわる増殖・分化ポテンシャルの高い幹細胞の生物医学研究が非常に重要であるが、それに加えて、細胞に生体組織の再生を誘導する手法の研究も不可欠である。本研究では、骨髄幹細胞を対象として、細胞伸展などの力学的な刺激やマイクロ波の電場による電気的な刺激などを与え、細胞増殖・分化のメカニズムを解明し、骨髄幹細胞により腱/靭帯の線維芽細胞の生成の最適条件の発見を目的とする。本年度は以下の実績を得た。 1.骨髄幹細胞の培養および実験システムの構築 凍結状態の骨髄幹細胞を解凍し、細胞の洗浄、培養、継代を行い、活性度の高い骨髄幹細胞の増殖培養を実現した。 一方、複数の伸縮自由なシリコン皿を同じ方向に同時に引っ張可能なステージに固定させ、均一的な一軸機械伸展システムを構築した。さらに伸展の振幅および周波数を制御可能な細胞伸展システムを開発した。 また、細胞に高周波数な電場振動を印加でき、周波数、出力パワ、印加時間などを制御できるマイクロ波照射システムを構築した。 2.骨髄幹細胞増殖の最適条件の発見 培養された骨髄幹細胞を一定の密度でシリコン皿に導入し、培地中に安定させた後、シリコン皿の伸展によって、細胞に一定の負荷で力学的な刺激を与えることを実現した。また、伸展の振幅、周波数、作用時間などを制御することにより、骨髄幹細胞増殖のメカニズムの解明に向けての基礎的な知見を得た。さらにマイクロ波の電場による電気的な刺激を加えることも実現した。
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Research Products
(2 results)