2006 Fiscal Year Annual Research Report
様々な荷重条件下における傾斜機能性材料のき裂エネルギー密度理論による破壊解析
Project/Area Number |
06F06118
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 勝彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
申 東哲 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | Crack energy density / Cruciform specimen / Biaxial tensile test / Biaxial stress ratio / Finete element analysis / Photoelasticity / Fracture |
Research Abstract |
現在までに、対象とする材料におけるき裂エネルギー密度についての理論的・数値解析的性質を把握すると共に、荷重条件を様々に変えうる試験装置の開発を進め、その一環として、2軸荷重試験片についての検討を行いその成果を発表した。2軸荷重を加えるとき、2方向の荷重を調節することにより、荷重条件を様々に変えることができる。この荷重条件を変えることにより、現象は単純1軸荷重から得られる結果より複雑となる。これまで2軸試験を行うために、アーム(arm)部にスロット(slot)がない十字形の試験片が広く使用されてきた。しかし、このようなスロットのない試験片は均一分布荷重を形成させるためにアーム部を長くする必要があり、また実験対象領域が小さいのが現実である。そしてこの実験対象領域が小さいことは、その領域にき裂を入れることも考えると、本来求められる実験条件の実現を難しいものにしている。したがって、本研究ではこのような既存の試験片を改善したアーム部が短くてアーム部にスロットを加える試験片を提案し、その有効性を確かめるために、既存の試験片と改善した試験片に対する有限要素解析と光弾性実験を行なった。 その結果、期待したとおり、従来のスロットのない試験片に比べ、提案する試験片の方が、アーム部の長さが短いため、実験対象とできる領域が広く、均一応力状態を形成させるのにより効果的であることが確認された。今後の行われる2軸試験では、本研究で提案したアーム部にスロットのある試験片を用いるのがより望ましいと思われる。
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