2006 Fiscal Year Annual Research Report
高温用耐環境コーティングの劣化機構の解明と寿命向上に関する研究
Project/Area Number |
06F06119
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 喜久雄 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ASWINKUMAR S.D. 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 耐環境コーティング / プラズマ溶射 / 密着強度 / 残留応力 / 界面強度 / 損傷・破壊過程 / 界面力学 / 寿命予測 |
Research Abstract |
高温用耐環境コーティングの環境劣化機構を解明し,その寿命向上法について検討することを目的として研究を実施した.二酸化炭素の削減,起動性能,熱効率などの観点から,次世代のエネルギー源として産業用ガスタービンが注目されているが,高効率ガスタービンの開発のためには,1400℃を超える高温環境下で高い強度と信頼性を有する材料・部材,とりわけ遮熱コーティング材の開発が必須となっている.そこでは,超合金基材上にセラミックス遮熱層,中間層,耐熱層からなる複合コーティング層をプラズマ溶射によって形成することが主流となっているが,供用中の酸化などによる材質変化や起動・停止に伴って発生する熱応力の変動により,被膜の密着強度が低下することが問題となっている.そこで,本研究では,コーティング材の粒子の変形・凝固過程が、密着強度を大きく左右し,被膜の寿命に大きく拘わっていることに着目し,その形成過程を詳細に分析した.具体的には,種々の条件でプラズマ溶射した試験片について,構造観察,残留応力測定,材料分析を行い,これらの結果と溶射条件との関係について考察した.さらに,界面の状態とコーティング表面の性状との間に相関性がある可能性のある結果を得た.これにより表面測定により界面の状態をモニタリングできる可能性が示唆された.また,界面強度試験を行い,損傷・破壊過程について詳細に観察・計測を行うとともに,これらの結果に基づきミクロ-マクロ統合界面力学による被膜界面のモデリングについて検討した.さらに,適切な寿命予測手法,寿命向上法についても考察を加えた.
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