2006 Fiscal Year Annual Research Report
キャビテーション不安定現象を防止するインデューサの設計法に関する研究
Project/Area Number |
06F06123
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻本 良信 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANGELO Cervone 大阪大学, 基礎工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | キャビテーション / インデューサ / 流量変動 / 逆流渦キャビテーション |
Research Abstract |
従来インデューサのキャビテーション不安定現象の防止に対して、翼端隙間を増加させたりケーシング直径を入口部で増加させる方策が経験的に用いられている。どちらの方策でも翼端渦キャビテーションと逆流渦キャビテーションの体積が増加する。とれより、これらのキャビテーションはキャビテーション不安定現象を防止する効果を持つと考えられる。そこで、それぞれの動特性を実験で明らかにすることで不安定キャビテーションの防止機構を解明し、インデューサの新設計法を提案することを目的として本研究を進めてきた。 本年度は下流側に大口径の電磁流量計を新設し、キャビテーションタンネルのループを完成させた。電磁流量計の校正試験を実施し、上流側の電磁流量計は使用可能な状況になった。今後は下流側の流量計の校正を行う予定である。計測システムの妥当性を確認するための実験として、上流側の電磁流量計を用いてポンプレジスタンスの計測を行った。ポンプレジスタンスと性能曲線の傾きの比較から、構築した計測システムは信頼性を持っていることが分かった。 また、現有の高速ビデオを用いて流量変動時の逆流渦キャビテーションの可視化を行った。キャビティの軸方向長さを計測した結果、流量変動の周波数が高くなると、流量変動に対するキャビティ長の変動め位相は、定常時の180°から90°へ近づいていくことが明らかになった。喬らの数値計算で、流量変動に対するインデューサ上流の角運動量の位相は、周波数が増加すると180°から90°に近付いていくことが明らかにされている。上流の角運動量と逆流渦キャビテーションの長さに位相差が無いものと仮定すれば、本観察結果は喬らの数値計算結果と定性的に一致することから妥当であると考えられる。これより、逆流渦キャビテーションが高周波数の変動を安定化する効果を持つという、喬らにより示された仮説が妥当であることが強く示唆された。
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