2007 Fiscal Year Annual Research Report
GaAs基板上におけるGaInNAs結晶の高品質分子線エピタキシー成長
Project/Area Number |
06F06129
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 正彦 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU Shu Dong 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | GaInNAs / 半導体レーザ / AlAs / 活性窒素 / 分子線エピタキシー / 結晶性 / フォトルミネッセンス |
Research Abstract |
研究代表者(受入研究者)は、1995年にGaInNAs(ガリウム・インジウム・窒素・ひ素=ゲイナスと略称)という新しい半導体材料を提案し、その実現に努めた。本材料は、半導体レーザの活性層材料として理想的なバンド構造をもち、現状の半導体レーザの課題を克服できる。 研究代表者の研究室では、現在、「2次元フォトニック結晶を用いる光集積回路の開発」を主要研究テーマとしている。そこでは、レーザの活性層にGaInNAsを、スラブ導波路のガイド層にAlAsを選択酸化させたAlO_x、(アルミナ)を用いる。その為、AlAs層上に高品質GaInNAs層を結晶成長させなくてはならない。GaInNAsを結晶成長させるには超活性な窒素原料が必須であるが、結晶成長装置内に存在するAlと反応することにより意図しないAlの混入が発生し、GaInNAsの結晶性を低下させてしまう問題がある。 外国人特別研究員のWu Shu Dong君は、中国科学院の物理研究所においてVG社製分子線エピタキシー(MBE)装置の操作経験を有する。昨年度、Wu Shu Dong君は、研究代表者研究室のアネルバ社製MBE装置の操作に習熟した。その後、GaInNAsの結晶成長条件の最適化を行った。 本年度は、AlがGaInNAsへ与える悪影響を系統的に調べその打開策を探った。混入するAlの濃度はN_2ガス流量のみに依存し、RF電力には影響されなかった。Alの混入に対応したC,0などMBEチャンバー中の不純物の混入も観測された。それらの複雑な相互作用が、結晶の品質劣化やドーピングコントロールを困難にさせる事が考えられる。今後は、得られた知見をもとに、AlAs層上への高品質GaInNAsの結晶成長技術を確立する。
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Research Products
(4 results)