2006 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀におけるグローバルな陸面エネルギー水循環の年々変動に関する研究
Project/Area Number |
06F06142
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沖 大幹 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGO-DUC Thanh 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 陸面モデル |
Research Abstract |
陸面モデルを利用した20世紀の陸上水循環の再現と検証をするため、20世紀のグローバルな陸面エネルギー水循環データセットを作成し、それを陸面水文植生モデルであるMATSIROの外力として利用し、大陸スケールの陸面水循環シミュレーションを行った。特に、MATSIROのような陸面水文植生モデルによって算定される流出量を河川流量に変換する際に必要となる河道流下過程に関して、従来グローバルスケールで用いられているTRIP(Total Runoff Integrating Pathways)のようなモデルでは、流下速度は一定として取り扱われることも多かったが、インドシナ半島のように地形が急峻な地域に10kmやlkmといった高解像度で適用するためには地形勾配や水深に応じて流速が変化することが望ましいのではないか、という観点から流下速度を変化させるスキームの組み込みを行った。基本式には河川流速の半経験則としてよく用いられるマニング式を用い、水面勾配は逆勾配を修正した地形勾配で代用し、陸面水文植生モデルからの流出量から得られる河川流量のマスから水深を算定する際に必要となる河道断面については矩形を仮定して、河道幅については年平均流量と河道幅との測定結果から経験的に得られた式を2つ候補として選び出し、これらに基づいて流速変化河道流下モデルを構築した。河道幅の決定に関しては、年平均流量に基づく算定結果を衛星画像等と比較して吟味し、適切な式を決定した。これらにより、例えばメコン川については日単位の流量変動のシミュレーションが良くなることが示された。この結果に関しては投稿論文を現在準備中である。
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Research Products
(2 results)