2006 Fiscal Year Annual Research Report
実験及び解析に基づく新たな木材-鋼ハイブリッド構造システムの提案
Project/Area Number |
06F06146
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
飯島 泰男 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LAJOS KISS 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 集成材 / ハイブリッド構造 / 有限要素法 |
Research Abstract |
研究者らがこれまでに提案・報告している鋼材と集成材のハイブリッド木橋の構造については、近年わが国で期待されている木造建築物の中高層化に対しても実用可能な技術であるが、鋼材と木材の荷重伝達機構のメカニズムなどハイブリッド構造システムとして構造特性については詳細な評価がなされていない。 したがって、18年度にはFEM(有限要素法)解析を用いた構造解析による検証を行うことを目的に、汎用有限要素解析ソフト(ANSYS)および解析用のPCを購入し、研究者らが行ったハイブリッド木橋に対する実験結果との詳細な比較検討を行った。鋼材および木材の弾塑性状態を考慮した非線形解析の結果は、従来の梁理論による解析結果と比較して、実験値との適合性が良く、鋼と木材のハイブリッド構造に対する適切な解析モデルについての有益な知見が得られた。 なお、これらの研究成果は、アメリカ合衆国ポートランドで行われた木質構造世界会議(WCTE2006)や土木学会年次学術講演会、第6回土木学会木橋技術に関するシンポジウムにおいて発表した。 木材高度加工研究所では、平成18年度より文部科学省事業である産学官連携都市エリア事業に取り組んでおり、建築・土木分野における木材利用を目的としたハイブリッド構造に関する研究を進めている。土木分野においては、木橋や木製ガードレールへのハイブリッド構造の採用、建築分野においては耐火性能を付与した木質中高層建築物へのハイブリッド構造の採用に関する検討を行っており、本研究の成果が活かされている。こうした研究事業とも連携しながら、平成19年度にはFEM解析による伝熱解析などにも取り組み、耐火試験との比較評価を行うなど、建築構造へのハイブリッド構造の実用可能性について検討を行いたい。
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