Research Abstract |
地域分散型エネルギーシステムの診断ツールを開発し,既存システムの管理運営に当ツールを組み込むことで,更なる省エネルギー効果が期待される。具体的には,既存システム供給能力及びユーザーサイトの需要を分析し,その地域に合った省エネルギー運転スケジュールを提案した。また,最適運転するためのシステム及びデマンドサイド分析技術ではシステム側の設備の組み合わせや部分負荷特性を把握した上で,デマンドサイド需要に合った設備運転プランを作成し,運転パターンのデータベースから最適運転プランを提案した。さらに,運転診断を行い,需要側利用状況や気象条件に伴う負荷変動を測定することにより,最適運転パターンのデータベースにフィードバックした。北九州学術研究都市では,太陽光を利用した発電及び高効率の新しい地域分散型エネルギーシステムを導入している。開発された地域分散型エネルギーシステムを用いて,当システムの運転状況を分析し,現システムに存在する問題点を明らかにするとともに,よりよい効率の地域分散型エネルギーシステムを提案した。 分散型エネルギーシステムによる実用化と普及のための技術条件,政策,実施プロセスを検討し,ケーススタディを通じて,設計運営支援システムの実用化の開発を行った。具体的には,第一段階で整備されたデータベースをデジタル化し,他の地域において地域分散型エネルギーを導入するための基本データを提供した。また第二,三段階で開発されたツールをソフトウェアにし,広く公開し,地域分散型エネルギーシステムの導入・設計・運営の評価の基準になるものを提供するができた。さらにそれらの研究成果を踏まえ,今後の日本の地域分散型エネルギー政策を提言した。研究成果として、論文5件をまとめ、国際会議ならびに学術雑誌で発表した。
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