2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス母体中への結晶性超伝導物質のレーザーパターンニングとその応用
Project/Area Number |
06F06150
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
町田 憲一 Osaka University, 先端科学イノベーションセンター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Guang Hui 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 外国人特別研究員
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Keywords | レーザ照射 / 微細加工 / パターンニング / 超伝導体 / 銅酸化物 / ホウ化マグネシウム / 臨界温度 / 金属ガラス |
Research Abstract |
本研究は、超伝導体成分を含む前躯体ガラスや複合体を系統的に合成し、Ybファイバーおよびフェムト秒の各レーザを光源とする照射システムを用いてそれらの超伝導体をガラス基体より形成させ、微小デバイス等への応用の可能性を検討することを目的とした。本年度はMgB_2やYBa_2Cu_3O_<7-δ>系超伝導体にいて、超伝導体の形成による微細パターンニングを行った。得られた結果、知見は以下のとおりである。 1)MaB_2系超伝導体 MgCl_2とNaBH_4との混合物からのMgB_2の合成を行った。その結果、これらのペレットを窒素中、800℃で加熱を行ったところ、臨界温度(Tc)が39Kで磁化が低下しMgB_2が生成したことが確認された。また、これらを無定形(ガラス状)の薄膜としてレーザ照射を行い、MgB_2相に対応するXRDパターンが観測された。磁化-温度曲線において、Tc=39K付近で磁化の低下が同様に見られ、MgB_2相が得られたものと推察される。 他方、Mg-CuとBとの混合物よりMgB_2の合成を行い、Ar中、700℃で加熱することでMgB_2が生成することを明らかにした。また、蒸着によりCu/Mg/B系膜を作製し、Ybファイバーで照射を行い、MgB_2に基づくレーザパターンを得、生成物のTc値は同様に約39Kであった。 2)YBa_2Cu_3O_<7-δ>等の酸化物系伝導体 YBa_2Cu_3O_<7-δ>成分を含むB_2O_3系ガラスを合成し、これらを熱的またはレーザ照射により部分的に結晶化した。その結果、空気中、600-700℃で結晶化することで、YBa_2Cu_3O_<7-δ>に基づく超伝導特性(Tc=90K)が見られた。これに対し、同ガラスにレーザ照射を行ったころ、ドットやラインを容易に形成することができたが、この系ではY_2O_3やBs_2CuO_2相が優先的に形成されるため、結晶部の主要な生成物はこれらの酸化物であった。
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