2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
幾原 雄一 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 時榮 東京大学, 大学院工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 転位 / 小傾角粒界 / SrTiO3 / 透過型電子顕微鏡 / 原子・電子構造 / 配列制御 / バイクリスタル / 非直線電流-電圧特性 |
Research Abstract |
平成18年度は,Nb添加SrTiO_3小傾角粒界に現れる転位構造と,Fe添加CaCu_3Ti_4O_<12>のドメイン壁に存在する転位に関する研究を行った. Nb添加SrTiO_3[001]軸2°,4°,6°,8°小傾角粒界を含む双結晶を1873Kにおける熱拡散接合により作製し,双結晶粒界にあらわれる転位構造と転位配列を高分解能TEM法によって解析した.2°小傾角粒界を除いた小傾角粒界においては,バーガースベクトルa<010>を有する完全転位がバーガースベクトルa/2<010>の部分転位に分解することが明らかになった.さらに,転位にはSrリッチなものとTiリッチなものの二種類が存在し,4°ではそれらが交互に現れて直線状に配置しているのに対し,8°ではTiリッチなものだけが現れ,ジグザグに配列することが明らかとなった.一方で,6°においては直線配列とジグザグ配列が共存しており,配列の転移角度が6°であることが明らかになった.また,2°においては転位がバーガースベクトルa/2<110>もしくはa/2<111>の部分転位に分かれていた.このような転位の導入は,[001]を軸としたねじり成分に由来していることが明らかになった. また,Fe添加CaCu_3Ti_4O_<12>薄膜の高分解能TEM観察を行なった.電子線回折及び像シュミレーションにより解析した結果,薄膜には数mradという大きなひずみが生じていることが分かった.解析の結果,ひずみはドメイン壁を介して発生しておりドメイン壁には転位が多数存在していることが明らかになった. 平成18年度の研究によって,転位を高度に制御のための指針を得ることが出来た。
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Research Products
(2 results)