2008 Fiscal Year Annual Research Report
粒界構造変態および拡散支配型相変態に及ぼす強磁場の影響
Project/Area Number |
06F06159
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
粉川 博之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HE Changshu 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 強磁場 / 粒界構造変態 / 拡散支配型相変態 / Fe-Si合金 / 粒界ぬれ性 / 交流磁場 |
Research Abstract |
近年、強磁場作用を利用した材料プロセスが注目されている。強磁場を用いることにより、材料の粒界微細組織をより精密に制御することができれば、多結晶材料のより高性能化が可能となる。一方、結晶粒界は相変態と同様、熱力学的に粒界構造が変化する「粒界構造変態」が起こることが見出されており、粒界構造変態温度を境に、粒界拡散速度や粒界偏析などの粒界の諸特性が著しく変化する。したがって、多結晶材料の粒界微細組織を制御する上では、粒界構造変態に関る知見に基づいた熱処理プロセスを確立することが非常に重要である。そこで本研究では、外部磁場作用下において粒界構造変態がどのような影響を受けるのか明らかにすることを目的とした。Fe-Si合金双結晶を用いて、溶融Znによる粒界ぬれ性に及ぼす強磁場の影響を調べた結果、6Tの外部磁場によりΣ5粒界に対する800℃におけるZnのぬれ性遅延効果が明らかとなった。一方、Fe-Si合金多結晶体を用いて、745℃における粒界ぬれ性に及ぼす強磁場の影響を調べた結果、6Tの強磁場下のほうがZnの粒界浸透が加速されることが示されたが、800℃以上の熱処理温度においては、粒界浸透に及ぼす磁場の影響は見られなかった。745℃は本合金のキュリー温度以下であるので、粒界浸透に及ぼす磁場の影響はキュリー温度を境に変化する可能性が示唆された。また、冷間圧延されたIF鋼の再結晶挙動に及ぼす交流磁場の影響を調べた結果、交流磁場により、(111)<123>方位が発達する一方、γ繊維再結晶集合組織の発達が遅延することが明らかとなった。
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