2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規ナノポーラス材料の合成とグリーン化学プロセスへの応用
Project/Area Number |
06F06165
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉 義弘 Gifu University, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AYYAMPERUMAL Sakthivel 岐阜大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ベータゼオライト / ナノサイズ結晶 / 外表面酸点 / フェノールのアルキル化 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、ナノサイズのベータゼオライトの創成に取り組んだ。まず、有機構造誘導剤水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)によるベータゼオライトの生成過程における臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTMABr)の効果を検討した。その結果、CTMABrの存在下ではベータゼオライトの粒子径が30-200nmに制御され、かつ均一な球状結晶を生成した。本ゼオライトの触媒機能に対する外表面酸点の影響を1-オクテンによるフェノールのアルキル化において検討した。その結果、本反応は結晶外表面で効率的に起こり、反応活性はゼオライト粒子径に反比例することがわかった。このことは、ノサイズのベータゼオライトでまた、通常のベータゼオライトの合成はナトリウムイオンの存在下で行われるが、ナトリウムイオン外表面が酸触媒反応に効率的に関われることを示す結果となった。ゼオライの特徴である強酸点を利用する触媒機能の利用に新しい概念を導入できる可能性が明らかになったと考えられる。さらに通常のベータゼオライト合成はアルカリイオンの存在下で行われるが、アルカリイオンの代わりにTEAOHを塩基とするベータゼオライトの合成を検討した。その結果、ナトリウムイオンの存在下と同様にナノサイズのベータゼオライトが生成した。この方法は、固体酸機能の発現に不可欠であったイオン交換プロセスを必要としない特徴を有する。この方法によるベータゼオライトの触媒機能評価したところ、従来の方法によるゼオライトと同様に高い活性を有することが明らかになった
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