2006 Fiscal Year Annual Research Report
原始地球環境を模擬した水熱条件下でのRNA合成について
Project/Area Number |
06F06168
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FU Wenshen 東北大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | メソポーラスシリカ / 酵素 / 触媒 |
Research Abstract |
界面活性剤を鋳型として合成されるメソポーラスシリカは,高比表面積と均一な細孔径といった特徴を有し,酵素固定化のための担体として有望視されている。本研究では,酵素固定のための新たなメソポーラスシリカを開発すると共に,メソポーラスシリカへの酵素固定化条件の検討,固定化された酵素活性の検証,などを通じて酵素固定化メソポーラスシリカを新規合成すると共に,RNA合成への適用を目指している。本年度は,特に新規メソポーラスシリカの合成と酵素固定化条件の確立を行うと共に,メソポーラスシリカ内での高効率な酵素触媒反応を達成した。 実験では,第一に陽極酸化アルミナ膜のアルミナ細孔内にメソポーラスシリカを形成した。従来,アルミナ細孔内でのメソポーラスシリカ合成はCTABやPluronic P123などを鋳型とした研究が報告されているが,本研究では,酵素固定化のために上記界面活性剤よりサイズの大きいPluronic F127(F127)を界面活性剤として用いた。このF127とTEOSを含む前駆体溶液を調製し,アルミナ細孔内にメソポーラスシリカを形成したところ,細孔構造が3次元的なコイルあるいは網目状構造である円柱状メソポーラスシリカの形成を確認した。 次に,酵素として広く用いられているグルコースオキシダーゼ(GOD)を細孔内に固定したところ,グルコース初期濃度が数十mM以下の条件では,およそ80%であり,高い触媒活性を示すことが分かった。また,作製した試料の繰り返し使用回数や耐久性などについても確認し,およそ10日程度の使用で活性が57%程度に減少することが分かった。
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