2006 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉ブランケット用高機能セラミックス被覆の開発
Project/Area Number |
06F06172
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺井 隆幸 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヤオ チェンユ 東京大学, 大学院工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 核融合炉 / ブランケット / 水素透過 / コーティング / ゾルゲル法 / スパッタリング法 / 酸化エルビウム / 炭化珪素 |
Research Abstract |
核融合炉液体ブランケットは、(1)MHD圧力損失の低減、(2)配管に対する腐食の低減、(3)配管からのトリチウム透過漏洩速度の低減が重要な検討課題であり、これらを解決する有力な手段として、セラミックスコーティングを配管構造材料表面に施し、絶縁性バリアー、腐食バリアー、トリチウム透過バリアーとして機能させる事が考えられている。本研究は現在までに核融合炉環境での使用可能性が示されている材料についてその薄膜化を行い、それらのトリチウム透過抑制能や耐食性を明らかにして、液体ブランケットの主要課題に対するブレークスルーを与える事を目的としている。平成18年度は、炭化珪素(SiC)についてプラズマスパッタ法にて、核融合炉用構造材料として開発の進められているJFL-1上への薄膜化を行った。作成したコーティングについては、SEM、EDS、XPS、XRD、FTIR等による分析を行い、その膜厚や緻密さ、結晶性、化学量論性等を確認するとともに、これらの膜質分析結果から、成膜条件の高度化を進めた。これらの高度化によって最適化されたコーティングについて、重水素を用いた水素同位体透過試験を実施した。この結果、コーティングを施したJLF-1の水素透過速度係数は、現在、酸化アルミニウムコーティングを施したフェライト鋼に匹敵する値が得られた。また、酸化エルビウムについて、大面積の構造材料へ応用が可能なゾルゲル法によるJFL-1上への薄膜化を実施し、その膜厚や緻密さ、結晶性、化学量論性等を測定し、これらの膜質を上昇させるように、成膜条件の高度化を進めた。これらの研究成果についての研究発表も積極的に進め、平成18年12月に、米国原子力学会において研究発表を行った。
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