2006 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科植物の自家不和合性に関わる情報伝達因子の同定と解析
Project/Area Number |
06F06180
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高山 誠司 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NAKAYAMA Pulla 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 植物 / 生殖 / アブラナ科 / 自家不和合性 / キナーゼ / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
アブラナ科植物の自家不和合性機構を解明するために、本年度は以下の2つの方向から研究を展開した。 1.膜アンカー型細胞質キナーゼMLPKの機能解析 自家不和合性の情報伝達における鍵因子MLPKと相互作用する柱頭蛋白質を酵母two-hybridシステムを用いて探索した。MLPKが細胞膜アンカー型のキナーゼ分子であることから、通常のtwo-hybridシステムではなく、分割ユビキチンの再構成を細胞膜上で検出する酵母DUALmembraneシステムでの探索を計画した。MLPKをベイトとする融合蛋白質が酵母細胞膜上に発現していることを確認し、別途作製した柱頭発現遺伝子ライブラリーのスクリーニングを開始した。現在、複数個の陽性クローンが得られてきている段階であり、さらにスクリーニングを継続すると共に、陽性クローンの中から擬陽性クローンを排除し、候補クローンの絞り込みを行っていく予定である。 2.不稔性シロイヌナズナ変異株の探索 シロイヌナズナのEMS処理株およびアクティベーションタグラインを対象に、不稔性あるいは稔性の低下した変異株の探索を進めた。稔性を指標とする一次スクリーニングの結果、複数の不稔性ラインが見出されてきた。しかし、野生株との問で詳細な受粉試験を行ったところ、いずれも期待している初期受粉反応に異常を来した変異株ではないことが判明した。現在、さらなる探索を継続しており、また今後新たなスクリーニング系の開発にも着手する予定である。
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