2007 Fiscal Year Annual Research Report
生殖機能を抑制する新規脳ホルモンの発現制御機構と作用機構
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06F06182
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
筒井 和義 Waseda University, 教育・総合科学学術院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHOWDHURY Vishwajit Sur 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | 生殖腺刺激ホルモン放出抑制ホルモン(GnIH) / 下垂体 / 生殖腺刺激ホルモン放出抑制ホルモン受容体(GnIH-R) / メラトニン / LH / GH / PRL |
Research Abstract |
今年度は、in vitroでの実験系でメラトニン投与実験を行い、GnIHの発現と放出が濃度依存的に有意に増加することを明らかにした。従って、予備実験の結果と合わせて考えると、松果体と網膜で合成されるメラトニンがGnIHの発現と放出を誘導することが示唆される。さらに、ウズラの間脳においてメラトニン濃度とGnIHの放出が日内変動しており、メラトニン濃度とGnIHの放出は夜間に増加することを明らかにした。GnIHの放出が増加する夜間において生殖腺刺激ホルモンの血中濃度が減少することを明らかにした。また、3週間の短日処理を行ったウズラは長日処理群のウズラに比べ、間脳におけるGnIHの発現と放出が有意に増加していた。加えて、短日処理群のウズラは生殖腺刺激ホルモンの血中濃度が減少し精巣重量も減少していた。従って、これらの結果はメラトニンがGnIHの発現と放出を誘導し、生殖腺刺激ホルモンの合成と放出を抑制していることを示唆している。更に、GnIH受容体がウズラ下垂体の生殖腺刺激ホルモン産生細胞に局在していることを明らかにした。従って、この結果はGnIHがその受容体を介して、生殖腺刺激ホルモン産生細胞に直接作用し、生殖腺刺激ホルモンの合成と放出を抑制していることを示唆している。加えて、GnIH受容体はGH産生細胞やPRL産生細胞にも局在していた。GnIH precursor cDNAにはGnIH-Related peptide-1,-2(GnIH-RP-1,-2)がコードされており、これらのGnIH-RP-1,-2がGnIH受容体に結合しGHやPRLの合成や放出を調節している可能性が考えられる。
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Research Products
(9 results)