2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内輸送と翻訳後修飾におけるタンパク質-タンパク質相互作用の構造・機能解析
Project/Area Number |
06F06186
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
若槻 壮市 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YOUSEF Mohammad S. 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | X線結晶構造解析 / 翻訳後修飾 / 糖転移酵素 / 細胞内輸送 / 非対称細胞分裂 |
Research Abstract |
真核生物のタンパク質輸送と、その過程で行われるタンパク質の翻訳後修飾は、細胞活動を支える原点であり、これらを支配しているタンパク質-タンパク質間相互作用、糖鎖-タンパク質間相互作用の作用機序を解明することは細胞の活動を知る上で非常に重要である。本研究では特に以下の2つのテーマについて、X線結晶構造解析のためのサンプル調製と結晶化を行なった。 1.ショウジョウバエのガラクトース転移酵素 ガラクトースは原核生物、真核生物を通して普遍的に用いられている糖であり、ガラクトース転移酵素によってアクセプターに転移させられる。しかし原核生物と真核生物の酵素では構造上の相同性がほとんどない。そこで、まだ構造が解明されていないショウジョウバエのガラクトース転移酵素GalTファミリーについて、その構造情報を得るために結晶化を進めた。昆虫細胞発現系で生産されたガラクトース転移酵素を用いて、基質有り無しの両条件で微小結晶を得ることが出来た。 2.ショウジョウバエの神経幹細胞の非対称分裂に関与する蛋白質群 ショウジョウバエの中枢神経系の発生過程において、神経幹細胞は非対称分裂を行なう。非対称分裂の結果出来た大きい方の娘細胞は神経幹細胞として維持されるが、小さい方の娘細胞は神経母細胞として分化する。これは細胞分裂時に、細胞の分化を決定付ける蛋白質群が姉妹細胞に非対称的に運ばれることに起因する。この非対称細胞分裂に関わる蛋白質について発現系の構築を行い、数mgの精製蛋白質を得ることができた。結晶化を開始するとともに、構造上の予備的な情報を得るために、CDスペクトル測定などいくつかの生化学的解析を行なった。
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