2007 Fiscal Year Annual Research Report
CAM型光合成の明期におけるミトコンドリア呼吸の関与に関する比較研究
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06F06194
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
野瀬 昭博 Saga University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOANG Thi Kim Hong 佐賀大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | CAM植物 / ミトコンドリア / アラメトシン / NAD(P)H酸化 / CAM型光合成 / ATP生産制御 / プロテオーム / 電子伝達系 |
Research Abstract |
実験I:サクララン(Hoya carnosa)の単離ミトコンドリアにおけるアラメトシン(AlaM)のミトコンドリア内膜透過性とその呼吸特性に及ぼす影響:H. carnosaから単離したミトコンドリアを用いて,AlaM処理によってNAD(P)Hを任意にミトコンドリア・マトリックスへ供給したときのNAD(P)Hの酸化特性を検討した.まず,H.carnosaの単離ミトコンドリアにおいてAlaM処理によって外生NAD(P)Hがミトコンドリア内膜を透過できる系を確立した.AlaM処理によって外生NAD(P)Hは内膜を透過し,内膜マトリックス面に存在する複合体I及びNADH脱水素酵素,更にはNADPH脱水素酵素によって酸化される.これらのNAD(P)H脱水素酵素はミトコンドリア・マトリックスにおけるNAD(P)Hの酸化に重要な役割を果たすが,複合体Iの活性は,他の2種類のNAD(P)H脱水素酵素に比べ明らかに高く,複合体IにおけるNADH酸化はH. carnosaミトコンドリアにおいてはATP生成と強くリンクしていることが明らかになった.結果として,H. carnosaミトコンドリアにおいて,内膜マトリックス面に存在する複合体Iも含めたNAD(P)H脱水素酵素は,内膜外面の細胞質側に存在するNAD(P)H脱水素酵素とともにH. carnosaのCAM型光合成のphase IIIにおけるミトコンドリアにおけるATP生産とその制御に関係することが明らかになった. 実験II:3種類のCAM植物(Ananas comosus, Kalanchoe pinnata, Hoya carnosa)から単離したミトコンドリア・タンパクの2次元電気泳動特性に関する研究:3種類のCAM植物の単離ミトコンドリアにおける2次元電気泳動解析を用いたプロテオーム解析系の確立を試みた.開発した手法を用い,A. comosusとK. pinnataから単離ミトコンドリア・タンパクの2次元電気泳動解析を実施し,前者では389個の,後者では415個のタンパク・スポットを確認することができた,それらの単離タンパクからミトコンドリアにおける電子伝達系に係ると予想される42個のタンパク・スポットについてMALDI-TOF MSを用いたタンパクの同定を行った.
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Research Products
(4 results)