2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06205
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 真人 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAHYANI Vita Ratri 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | T4型ファージ / カプシド / g23遺伝子 / 鉄酸化細菌 / 鋤床層 / DGGE / マンガン結核 / 斑鉄 |
Research Abstract |
第1年度の研究から、マンガン結核に特異的な細菌群集の存在が推定された。そこで、細菌に感染するウイルス(ファージ)群集もまた特異的なものと推察し、T4型ファージを対象にマンガン結核のウイルス群集を調査した。すなわち、マンガン結核から抽出したDNAを鋳型にT4型ファージの有するカプシド遺伝子(g23)に特異的なプライマーMZIA3bis、MZIA6を用いてPCR増幅させ、得られたg23遺伝子断片の塩基配列からマンガン結核中のT4型ファージの特異性を評価した。その結果、いずれのクローンの塩基配列もこれまでに水田土壌から得られた塩基配列に類似したものであり、細菌群集と異なってマンガン結核に存在するファージ群集は、他の土壌部位と大差ないものと判断された。なお、今回きわめて長い塩基配列を有するクローンが得られ、その長さはこれまでに知られている塩基配列長より10%異常な害者であった。 加えて、落水後水田鋤床層に形成された鉄皮膜(膜状斑)を注意深く採取し、DNA抽出後に、一般細菌を対象にPCR産物を変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)のバンドパターンから群集構造を、特徴的なDGGEバンドのシークエンスから主要な細菌群集の系統解析を行った。その結果、DGGEおに現れたバンド数は少なく、細菌群集の多様性も低いことが推察された。また、そのDNA塩基配列から細菌群集として、Azoarcus,Azovibrio,dechloromonasが主要であること、また、同定された多くの細菌が鉄の酸化と還元に関与していることが明らかとなった。
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