2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06207
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川端 潤 北海道大学, 大学院農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GAO Hong 北海道大学, 大学院農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 糖尿病 / α-グルコシダーゼ / 訶子 / Terminalia chebula / エラグタンニン / chebulinic acid / 中国生薬 |
Research Abstract |
中国四川省産生薬100種類についてラット小腸から部分精製したα-グルコシダーゼ(マルターゼ、スクラーゼ)に対する阻害活性のスクリーニングを行い、生薬"訶子"(Terminalia chebula Retz.)に強いマルターゼ阻害活性を見出し、活性成分の探索を行った。 市販の"訶子"乾燥果を粉砕した後、70%メタノール抽出物をDiaion HP-20(水-メタノール)、Toyopeal HW-40(水-メタノール)および逆相HPLC(水-メタノール)で分離・精製して3種のエラグタンニン類を主活性分として得た。NMR、MSスペクトルをはじめとする各種機器分析結果から、chebulanin(1)、chebulagic acid(2)およびchebulinic acid(3)と同定した。乾燥果あたりの収率はそれぞれ0.4%、4.5%および1.1%であった。またマルターゼ阻害活性のIC_<50>値はそれぞれ690μM、97μMおよび36μMであった。部分加水分解物および関連する構造の合成品との活性の比較から、C-2およびC-4位にchebuloyl基が結合した^1C_4グルコース構造をとっていることが1〜3のマルターゼ阻害活性に寄与していることがわかった。活性の強い2および3のマルターゼ活性に対する阻害様式をLineweaver-Burkプロットによって検討したところ、これらの化合物はいずれも非競合阻害型であり、K_はそれぞれ208μMおよび24μMであった。 以上の結果より、エラグタンニン1〜3が糖質の消化・吸収に関与するマルターゼ(α-グルコシダーゼ)を効率的に阻害することが明らかになり、生薬"訶子"の重要な抗糖尿病作用成分であることが判明した。
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Research Products
(1 results)