2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06212
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
近藤 隆一郎 九州大学, 大学院農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LLU J. 九州大学, 大学院農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 前立腺肥大症 / トリテルペンノイド / アンドロゲン受容体 / PSA / 抗男性ホルモン効果 |
Research Abstract |
前立腺はアンドロゲン(男性ホルモン)の標的器官であり、前立腺肥大症の発生及び進行にはアンドロゲンが密接に関与している。前立腺肥大症の発症には、(1)前立腺細胞へのテストステロンの取り込み(2)5α-リダクターゼ活性の上昇(3)アンドロゲン受容体の過剰な発現がよく言われている。マンネンタケエタノール抽出物の動物前立腺肥大抑制機構については、これまでの研究による、5α-リダクターゼ阻害成分が存在していることを確認した。さらに、マンネンタケエタノール抽出物から3種のトリテルペノイドは、強力な5α-リダクターゼ阻害成分であることを分かった。ラノスタン骨格を有するトリテルペノイドの側鎖のカルボキシル基が活性発現に重要な役割を果たしていることを示している。 今回は、マンネンタケのエタノール抽出物は、強力なアンドロゲン受容体結合抑制を示した。単離されたトリテルペン類の中で、ganoderol Bとlucidumol Bは、アンドロゲン受容体阻害剤であるフルタミドよりも強い阻害活性を示した。ラノスタン骨格を有するトリテルペノイドのいくつかは、アンドロゲン受容体に結合することも示し、ステロイド骨格に結合しているアルキル側鎖の極性が重要であり、水酸基構造はケトン構造より強いアンドロゲン受容体の阻害活性を持つ傾向を示した。さらに、ganoderol Bは、細胞毒性を示さない濃度で前立腺がん細胞のアンドロゲン依存的な増殖に対する抑制効果を示した。Ganoderol Bの前立腺肥大抑制機構として、細胞核内に存在するアンドロゲン受容体mRNAの発現とPSA(前立腺特異抗原)の発現を抑制することで、PSA蛋白の合成を抑制し、前立腺細胞を増殖させないことを考えられる。
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Research Products
(3 results)