2006 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナムにおけるヒートショック技術による貯蔵米の品質維持
Project/Area Number |
06F06217
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
後藤 清和 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGUYEN Tuan Quoc 岐阜大学, 応用生物科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ヒートショック / 温度 / 保持時間 / 貯蔵 / 糊化特性 / 追熟 |
Research Abstract |
白米(平成17年度岐阜県産コシヒカリ)に対する高温処理(ヒートショック)の貯蔵時品質変化への影響を検討した。マイクロウェーブ加熱により白米を60,70および80℃まで加温し,さらに各温度を0,60,180秒間保持した後,ビニル袋に密封して6ヶ月間40℃設定の定温庫で保存した。糊化特性の各特性値を検討した結果,熱処理の2ヶ月後に無処理対照区との差が大きくなるが,4ヶ月に近づくにつれてその差が小さくなる。したがって,40℃保存において,高温処理の効果は3〜4ヶ月程度持続すると考えられる。最終粘度および糊化温度により処理時温度の効果を比較すると,概ね60〜70℃で良い効果を示し,80℃で悪い影響が現れた。また,経時的に成分に関する品質指標値を測定した結果,高温での貯蔵中に,比較実験区としての無処理米は高温処理米に比べて次の点で追熟(aging)や老化が早いことが見出された。つまり,炊飯時の体積膨張率は貯蔵初期に増加し,その後減少に転ずる過程が早くなった。また,炊飯吸水率,可溶解糖全デンプン,および可溶解アミロースが最初の1〜2ヶ月で急激に減少し,その後その値を維持することが見いだされた。滴定酸度,全アミロースおよび不溶性アミロースの変化を測定した結果,ヒートショックを施した材料においても同じような変化が生起したが,1〜2ヶ月時期的に遅れることが見いだされた。 特に,60℃と70℃での熱処理による白米を貯蔵した場合,追熟および老化が遅れ,品質の維持に効果的であった。熱処理過程での加熱時間の延長はこの効果を増すものと期待できる。
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Research Products
(1 results)