Research Abstract |
ヒートショック処理による米の貯蔵性の変化を検討した。収穫された籾(岐阜大学農場産コシヒカリ)に対して,60、70、80℃までマイクロ波により加熱し,続いて,0、1,3分の間熱を保持期間を設定した。その後,乾燥して通常の状態とし,それから6カ月の間40℃で貯蔵しながら経時的に成分等の品質変化を測定した。 無処理も比較対照については,貯蔵期間を通じて,脂肪酸度,可溶性糖含量,全アミロースおよび不溶性アミロースの増加が見られ,逆に,全デンプン量と可溶性アミロースの減少が見られ,通常籾の品質変化の傾向が確認された。それに対して,ヒートショック処理を受けた籾もほぼ同じ傾向を示すが,その辺かの速度が遅くなった。60と70℃のヒートショック処理は全アミロースおよび不溶性アミロースの低い値に抑制することに効果的であった。また,比較対照籾は貯蔵中にタンパク質とデンプン消化性が減少した。そして,糊化特性ではセットバック粘度,最終粘度,糊化温度が上昇し,特に,最高粘度が初期の2ック処理では,貯蔵中,デンプン消化性を高く維持し,最高粘度を低く保つことができた。そして,60℃のヒートショック処理では最高粘度と最終粘度の上昇を抑制することができた。ヒートショック処理がすべての品質特性に有効に作用することはできなかったが,多くの項目について有益であった。処理時間と温度保持時間は貯蔵の目的に応じて適切に選択するべきである。研究結果は3報に分けて作成した。1報は掲載済み,2報は審査中である。
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