2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロポリスエキスの収穫後農産物の品質保持に及ぼす効果
Project/Area Number |
06F06218
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内野 敏剛 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ATUNGULU G.G. 九州大学, 大学院・農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | プロポリス / 玄米 / 精油 / 揮発性成分 / 抗酸化能 / 白米 / 酸化防止 / 静菌 |
Research Abstract |
健康食品として利用され、安全性の高いプロポリスから精油を抽出し、これを農産物・食品の酸化防止剤や静菌剤として用いたときの貯蔵性向上効果の解明を目的とし、貯蔵中の玄米および白米をプロポリス揮発性抽出物に暴露することで、微生物および酸化による品質の劣化を抑制することを試みた。無水エタノール(AEPE)、塩化メチレン(MCPE)、ヘキサン(HEPE)によるプロポリス抽出物を合成吸着材に浸透させ、本吸着材を入れたチャンバーに玄米を6ヶ月間貯蔵した。この間玄米は揮発性成分に暴露された。その結果、これらの揮発性成分はカビと玄米表面に接種した後の細菌の増殖を抑制した。また、AEPEによる抽出物の揮発性成分は白米の脂肪酸の抑制に最も効果的であり、30℃で同揮発性成分に暴露した白米脂肪の酸化程度は、5℃の低温で2ヶ月間貯蔵した対照区のそれと同等であった。揮発性成分に暴露処理後に単離した細菌をグラム染色した結果、グラム陽性菌が優位であった。さらに、2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジルのフリ-ラジカル捕捉能を50%阻害する揮発性成分濃度(IC_<50>)は、AEPE、MCPE、HEPEでそれぞれ3.2、2.8、9.8μg/μlであること、組成分析の結果、AEPE揮発性抽出物はカフェ酸、カフェ酸フェニルエステルを最も多く含むことが明かとなった。これらの成分は抗酸化物質であり、AEPEが最も高い抗酸化能を持つといえる。これらの結果は、人工的化学物質を用いない農産物・食品の貯蔵性向上法として有為であると考えられる。
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Research Products
(2 results)