2006 Fiscal Year Annual Research Report
有機物消化液を施用した矮性ネピアグラス草地の乳用牛輪換放牧利用とその無機養分動態
Project/Area Number |
06F06219
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
石井 康之 宮崎大学, 農学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WADI Ahmad 宮崎大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 草地学・畜産学 / 矯性ネピアグラス / 乳用牛 / 輪換放牧 / 飼料品質 / 南九州 |
Research Abstract |
【目的】宮崎市で越冬し多年利用できるネピアグラス(Pennisetum purpureum)の矯性晩生品種(Dwarf-late;以下DL)と晩秋のイタリアンライグラス追捕を組み合わせ,DL草地造成の1,2年目のホルスタイン乳用牛群による輪換放牧体系の草量,被食量および飼料品質を検討した。 【材料と方法】矯性ネピアグラス(DL)の苗を2005年5月中旬に,プラウで耕起したバヒアグラス永年草地に1株1本植え(栽植密度1株/m^2)で,1ha(20a/牧区×5牧区)移植した。6月上・中旬舛補植し,追肥を施用してDL草地を養成した。2005年では8月1日から,2006年では7月19日Iから,ホルスタイン乳用牛群(初年目では15〜18頭,2年目は22頭)により,1牧区当り4〜6日の入牧で1週間ごとに転牧する輪換により,時間制限放牧を計3周期行った。各退牧後に追肥を分施した(16.4〜17kgN/10a/年)。地表面から10cmと5cmで刈取ったDLとバヒアグラス(以下Ba)について,植物体諸形質の調査と草量調査を行い,被食量(HC)および乾物摂取量(DMI)を推定し,葉身と(葉鞘含む)茎のin vitro乾物消化率(IVDMD)と粗タンパク質(CP)含量を測定した。 【結果と考察】茎数と草量は,草量の周期mの最終3〜4牧区を除いて,牧区と周期を重ねるにつれ両年ともに増加した。それに伴い入牧日にDLを採食する時間比率が増加した。周期と牧区をこみにしたHCの平均は,2005年では108gDM/m^2,DMIの平均は両年ともに2.6〜2.7kgDM/頭/日であった。DLのIVDMDとCP含量は,周期IとIIでは大きな変化がなく,周期mで低下したが,暖地型イネ科牧草の平均(54%と9.3%)よりもほとんどの場合高く,Baより有意に高かった。DLの越冬率は99.9%で非常に高かった。 本研究の結果から,南九州においてDL草地は,造成の1,2年目から約17〜22頭の乳用牛群により約75日間輪換放牧利用でき,被食されるDLの飼料品質が,暖地型イネ科牧草の平均を上回ることが示された。
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Research Products
(1 results)