2007 Fiscal Year Annual Research Report
肉牛と豚の余分な飼料摂取を減らす方向への選抜が重要な形質に及ぼす影響
Project/Area Number |
06F06220
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 啓一 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOQUE Azharul Md 東北大学, 大学院・農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ブタ / 牛 / 余剰飼料摂取量 / 発育形質 / 枝肉形質 / 育種改良 |
Research Abstract |
研究の目的は、牛とブタにおいて、効率的な赤肉生産の指標として、飼料要求率(FCR)に代わる新たな形質である余剰飼料摂取量(RFI)について、成長と枝肉形質との関連を検討することである。昨年度から引き続き、デユロック種とランドレース豚について取り組み、今年度は黒毛和種についての研究を終えた。 豚についての研究の結果、余剰飼料摂取量は飼料要求率より遺伝率が高く、飼料要求率よりも1日平均飼料摂取量との遺伝相関も高い。余剰飼料摂取量と検定終了体重(105kg)到達日齢の遺伝相関から、良形質の同時改良が可能であることが示された。これらの減少と同時に、皮下脂肪厚と筋肉内脂肪もまた減少し、ロース断面積は増加する。以上、余剰飼料摂取量の好ましい特性から我々は余剰飼料摂取量が飼料効率の遺伝的改良のための豚の育種プログラムに含めるべきであると結論する。(論文1,2,3、4、7) 黒毛和種牛に関する研究では、種雄牛の飼料摂取量とエネルギー効率およびフィールドでの後代の成長と枝肉形質について遺伝的パラメーターを推定した。研究の結果、乾物、濃厚飼料および可消化粗蛋白質摂取量に対する選択は、飼料の余分な摂取を抑えるが、成長と大部分の枝肉形質に好ましくない効果を示した。代謝エネルギー摂取量に対する選抜は、飼料効率を改良し、同時に成長と大部分の枝肉形質を改良するための飼料利用性に関する他の形質よりも優れる。しかし、余剰飼料摂取量に対する選抜は、他のいずれの飼料利用性関連形質に対する選抜と比較しても、後代の枝肉重量と脂肪交雑スコアの相関反応が高かった。本研究の結果から、黒毛和種牛の選抜プログラムにおいて、他のエネルギー効率の測定値よりも余剰飼料摂取量が望ましいと結論される。(論文5、6)
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Research Products
(9 results)