2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06222
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西堀 正英 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOHAMED Elshabrawy GHANEM 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 繁殖障害 / 遺伝病 / リピートブリーディング / CVM / 乳牛 / 診断法の確立 / PCR / 塩基置換 |
Research Abstract |
ウシにおける繁殖障害、とくにリピートブリーディングに関わると考えられる遺伝子(Factor XI, DUMPS, BLAD, CVM, Neospora canis)について、畜産現場およびその遺伝子の構造と機能を明らかにすることを目的にして以下の研究を遂行した。(1)広島県における繁殖障害であるリピートブリーディングのウシから血液サンプルを約200個体およびミイラ胎児を収集し、候補遺伝子となるFactor XI, DUMPSおよびCVM遺伝子保有の有無をPCR法により検査した。これらの解析結果から保因対象となるウシ26頭(13%)のCVM遺伝子保有牛を見出し、その家系分析から原因となる人工授精用の精子を供給するオス牛を特定した。(2)CVM遺伝子のエキソン領域での一塩基置換(GからTへの置換)によるアミノ酸置換をともない、異常タンパク質が生成されるものと推察された。CVM保有牛の生産性は低かった。(3)また本研究で見出したFactor XI突然変異を見出した精子ではCVMの変異が同時に見出された。Factor XIの変異は生産性の低下を導くことも明らかにした。(4)さらにミイラ胎児からFactor XI, DUMPS, BLAD, CVM, Neospora canisを調べるとそれぞれの遺伝子で変異が見られ、Neospora canisが検出された。以上のことから、Factor XI, DUMPS, BLAD, CVM, Neospora canis遺伝子の変異が原因となっている可能性が示唆され、これらの遺伝子を保有する精子の使用については再考の必要がある。本研究の成果を実際の生産現場に反映させるとともに、さらにリピートブリーディングに関わる遺伝子を網羅的に解析して明らかにする必要があるものと考えられた。
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Research Products
(9 results)