2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06223
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
葛西 孫三郎 高知大学, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VALDEZ Delgado Jr. Montes 高知大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 魚類 / 凍結保存 / 卵子 / 胚 / アクアポリン / ガラス化 / メダカ / ヒラメ |
Research Abstract |
1.水・耐凍剤透過性チャンネルであるaquaporin-3(以下AQP3)のcRNAを未成熟卵子に注入してAQP3を人為的に発現させたマウス、アフリカツメガエルおよびメダカの卵子を作製し、耐凍剤透過性を調べた。AQP3を発現させたアフリカツメガエルとメダカの未成熟卵子では、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、アセトアミドおよびDMSOに対する透過性が向上したが、マウス卵子ではエチレングリコールとグリセロールに対する透過性のみが向上した。メダカ未成熟卵子は、他の耐凍剤と比べて、プロピレングリコールの毒性による傷害を受けにくかったが、AQP3を発現させると毒性による傷害を受けやすくなった。 2.メダカ未成熟卵子にAQP3 cRNAを注入し、水と耐凍剤に対する透過性を向上させたのちに体外成熟させて体外受精した結果、多くの卵子が孵化した。したがって、AQP3の一時的な人為的発現は卵子の受精能や発生能に大きな影響を与えないことがわかった。そこで、メタノールとプロピレングリコールをベースとした保存液を用い、様々な条件下でAQP3を発現させたメダカ卵子のガラス化凍結保存を試みたが、融解後に生存卵子は得られなかった。 3.最近、海産魚で養殖魚でもあるヒラメの受精卵のガラス化法による凍結保存の成功例が報告された[Chen and Tian, Theriogenology, 63, 1207-1219, 2005]。そこで、ヒラメ胚の耐凍剤透過性と耐凍剤毒性を調べ、さらに、ガラス化法による凍結保存を試みた。ヒラメ胚の耐凍剤透過性は極めて低く、メタノールを除いてほとんど透過しなかった。また、耐凍剤毒性は、メタノールとプロピレングリコールの影響が小さかった。メタノールとプロピレングリコールをベースにした保存液を用いてヒラメ胚をガラス化凍結保存したが、融解後に生存胚は得られなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Channel-dependent permeation of water and glycerol in mouse morulae2006
Author(s)
K.Edashige, M.Tanaka, N.Ichimaru, S.Ota, K.Yazawa, Y.Higashino, M.Sakamoto, Y.Yamaji, T.Kuwano, D.M.Valdez Jr., F.W.Kleinhans, M.Kasai
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Journal Title
Biology of Reproduction 74・4
Pages: 625-632
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