2006 Fiscal Year Annual Research Report
ニューカッスル病ウイルス及びトリインフルエンザウイルスの迅速診断法・制御法の開発
Project/Area Number |
06F06224
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大橋 和彦 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHAM H.M. 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ニューカッスル病 / LAMP法 |
Research Abstract |
ニューカッスル病(ND)は、NDウイルス(NDV)の感染により起こる鶏の急性感染症であり、養鶏産業に甚大な損害を与える。NDは生および不活化ワクチン接種で予防されているが、現在でも世界各地で発生が報告されており、発生時には迅速な診断や病原型の決定が重要となってくる。そこで本研究では、これまで日本各地で種々の鳥類から分離されたNDV株の遺伝子解析を行い、分離時期、鳥類種、あるいは分離場所などと遺伝子型の相関を解析し、さらに新規診断法の開発を目的として、LAMP法やPCR法など迅速診断法として有用な方法を検討した。 過去から現在までに日本国内で分離されたNDV株のM遺伝子全塩基配列を決定し、系統樹解析を行った結果、1970年代以前の分離株と1980年代以降の分離株の2つのグループに分かれることが示された。次にF遺伝子を標的としたLAMP法のND迅速診断への応用を詳細に検討した。その結果、LAMP法およびRT-PCR法ともに、これまで日本で分離されているNDV38株全てでF遺伝子を検出したが、APMV2、など他の関連のないウイルスでは増幅は観られなかった。また実験感染鶏から感染初期に材料を採取してLAMP法やRT-PCR法を行い比較した結果、LAMP法はRT-PCR法に匹敵するあるいはそれ以上の特異性・感度を有し、NDV診断法として応用可能であることが示された。さらにLAMP法によるNDV病原型決定法を樹立するためにLAMP-RFLP法について検討した。しかしLAMP-RFLP法では多くの強毒株と弱毒株・中等毒株の区別は可能であるが、例外も存在し、この方法では必ずしも全てのNDV株の病原型が決定できないことが示された。今後、さらに標的遺伝子やプライマー設計などを検討して、この方法を改善する必要がある。
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