2006 Fiscal Year Annual Research Report
難治性疾患に対するHB-EGFと関連分子の遺伝子治療法の開発と治療分子機構の解明
Project/Area Number |
06F06230
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小財 健一郎 鹿児島大学, 大学院歯学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGIN CIN KHAI 鹿児島大学, 大学院歯学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | HB-EGF / 遺伝子治療 / 肝臓 / 膜4回貫通分子 / インテグリン / ADAMディスインテグリン |
Research Abstract |
新規の膜結合型増殖因子のHB-EGF(ヘパリン結合型EGF様増殖因子)、ならびにその関連分子の分子機能と作用メカニズムを解明し、独創的な遺伝子治療法を開発することを目的とし、以下のように研究を進め成果を上げてきた。 1.急性(劇症)肝炎の動物モデルで、HB-EGFはHGF(肝細胞増殖因子)より強力な肝障害抑制作用、肝再生誘導作用を有していた(Khai & Kosai K et al. J Hepatol 2006)。 2.肝硬変動物モデルに、HB-EGFとHGFを発現するアデノウイルスベクターを投与し、その治療効果を調べ、その治療機序を解析した。コントロールに比べて治療効果はみられるものの、HGFの比較コントロールにおいても従来出されているデータほどの著明な程度の効果までは得られなかったので、実験系とその条件を再度検討して、追加実験を行って行く。この両因子を発現させるプロモーターには、RSV (rous sarcoma long-term repeat)とCA (cytomegalovirus enhancer+beta-actin promoter)の2種類用意し、それぞれの分子につき2種類のアデノウイルスベクターを作製して、検討を進めている。 3.HB-EGFとアソシエートする某分子の心筋梗塞動物モデルへの遺伝子導入と強発現により、心筋梗塞後のリモデリングが改善できるという、新たな発見が得られた。(研究進行中で、知財確保のために現時点で詳細が書けないが)、その治療作用につながった細胞レベルでの作用も解明した。さらに分子レベルでのメカニズムについて、分子組織、分子生物学的解析により、その本体に迫っているところである。
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