2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06236
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 生理学研究所, 細胞器官研究系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Hongtao 生理学研究所, 細胞器官研究系, 外国人特別研究員
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Keywords | ATP / アニオンチャネル / アストロサイト / グリア / グルタミン酸 |
Research Abstract |
マウスアストロサイトには大型単一チャネルコンダクタンス(約400pS)を持ったマキシアニオンチャネルと中間型単一チャネルコンダクタンス(数10pS)を持った容積感受性・外向整流性(VSOR)アニオンチャネルのいずれもが発現しており、それらはそれぞれ虚血刺激と細胞膨張刺激で活性化され、それらのアニオンチャネルのボアサイズはグルタミン酸のサイズ(有効半径0.35nm)はより大きく、有意のグルタミン酸透過性(それぞれP_<glutamate>/P_<Cl>は0.2と0.15)を示した。アストロサイトは虚血刺激に対してグルタミン酸放出応答を示し、マキシアニオンチャネルのプロッカーは最も強くこれを抑制し、VSORプロッカーも弱いながら有意に抑制した。一方、これまでグリアからのグルタミン酸放出に関与すると報告されてきたグルタミン酸コトランスポータ逆回転やギャップジャンクションヘミチャネルやエクソサイトシスに対するプロッカーは無効であった。またシスチンは添加していないので、シスチン/グルタミン酸交換輸送の関与も除外された。以上の結果より、アストロサイトの虚血性及び細胞膨張性のグルタミン酸放出の通路に主としてマキシアニオンチャネルが、そしてマイナーながらVSORアニオンチャネルも関与することが明らかとなった。 一方、虚血刺激下でアストロサイトはATPも放出する。この四価アニオン型ATPはマキシアニオンチャネルは通るが、VSORアニオンチャネルは通らないことが他の細胞で示されている。事実、アストロサイトにおける虚血性ATP放出もマキシアニオンチャネルのブロッカーでは抑制されるが、VSORブロッカーでは影響を受けぬことを明らかにした。
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Research Products
(2 results)