2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06236
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 National Institute for Physiological Sciences, 所長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Hongtao 生理学研究所, 細胞器官研究系, 外国人特別研究員
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Keywords | アストロサイト / アニオンチャネル / ATP / グルタミン酸 / ブラジキニン / ニューロン / 活性酸素種 / グリアーニューロン情報伝達 |
Research Abstract |
本年度は、まずマウス大脳皮質由来のアストロサイトにおける低浸透圧刺激(浸透圧性細胞膨張)によるATP放出の通路を検討した。RT-PCR法で、これまで報告されてきたATP放出通路の候補分子の発現を調べたところ、各種コネキシン、バネキシン、MDR、MRP、P2X7などの発現が確認されたが、CFTRの発現の確認はできなかった。次に薬理学的な検討を行ったところ、上記いずれの候補分子のブロッカーも低浸透圧性ATP放出に影響を与えなかった。しかし、未だ分子同定されていないマキシアニオンチャネルのブロッカーは著しくこれを抑制した。従って、本チャネルの低浸透圧ATP放出の通路を与えるものと考えられた。 次に、アストロサイトとニューロンの共培養系を用いて、炎症メディエータであるブラジキニン刺激下におけるアストロサイトからニューロンへのシグナル分子とその放出通路について検討した。ブラジキニン刺激は、アストロサイトからのATP放出はもたらさないが、グルタミン酸放出をもたらした。この時には、アニオンチャネルの活性化がみられることが、パッチクランプ法によって明らかとなった。本チャネル電流は、その生物物理学的性質や薬理学的性質から(マキシアニオンチャネルではなく)容積感受性外向整流性(VSOR)アニオンチャネルであることが明らかとなった。事実、ブラジキニン刺激によるアストロサイトからのグルタミン酸放出も、ニューロンへのカルシウムシグナルの伝達も、本VSORチャネルのブロッカーで選択的に抑制された。また、ブラジキニンはアストロサイトのB2レセプターを刺激して、ROS産成を促し、このROSによってVSORアニオンチャネルの活性化をもたらすことが明らかになった。
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Research Products
(5 results)