2007 Fiscal Year Annual Research Report
マウス体節形成におけるダイナミッグな遺伝子発現についての数学的および実験的解析
Project/Area Number |
06F06237
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
影山 龍一郎 Kyoto University, ウイルス研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AITOR Gonzalez-Gonzalez 京都大学, ウイルス研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 分節時計 / 未分節中胚葉 / Hes7 / 振動発現(オシレーション) / 微分方程式 / Fgf8 / Notch |
Research Abstract |
体節は未分節中胚葉(PSM)から順番に形成される。体節形成のペースは、PSMで振動発現(オシレーション)するhairy and enhancer of split (Hes7)などの遺伝子産物によって制御されている。オシレーションする遺伝子に加えて、後方PSMから前方PSMへのFgf8 mRNAの濃度勾配も関与している。最近の知見では、PSM後方でのHes7のオシレーションの開始と維持には、Fgfシグナリングが必要である事が示されている。一方で、Hes7のオシレーションはNotchシグナリングによって、前方PSMへと増幅・維持される。この表現型を理解するために、我々は野生型とミュータントマウスにおいて、delay differential equation(DDE)モデルを使用して、シュミレーションを行った。DDEモデルの線形安定解析では、野生型マウスでも、PSMでのFgfの濃度が減少すると、シスデムは持続から減衰へと変化した。 しかしながら、野生型マウスにおいては、減衰は線形系の固有値の実数値のプロットによって示されたほど強くなかった。つまり、我々の研究結果は、FgfシグナリングはPSMにおいてHes7を不安定化し、NotchシグナリングはPSM前方でのHes7のオシレーションの減衰を維持している事を示唆している。
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