2007 Fiscal Year Annual Research Report
ras癌遺伝子産物を分子標的とした新規抗癌剤開発を目指した基礎的研究
Project/Area Number |
06F06238
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
片岡 徹 Kobe University, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
叶 敏 神戸大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 低分子量G蛋 / ras癌遺伝子 / X線結晶解析 / インシリコ創薬 |
Research Abstract |
M-Ras及びM-RasのH-Ras型アミノ酸置換変異体の高次構造解析により決定した、GTP結合型ながら標的蛋白質との結合能力を持たない型(state 1)の高次構造情報にもとづき、バーチャル化合物ライブラリーから、NEC独自のMMPBSA法によるドッキングシミュレーションによって、state 1のポケットにエネルギー的に安定に結合する可能性が高いと予想された100種類の候補化合物を購入した。これら候補化合物によるM-Ras変異体-GTPならびにH-Ras-GTPとRafとの結合阻害試験を行った結果、H-Rasに対してRas-Raf結合を強く抑制するヒット化合物kobe0065が得られた。また、kobe0065存在下でH-Ras-GTP(GppNHp)の^<31>P-NMR測定を行なったところ、化合物非存在下での測定結果と比較してstate 1の存在割合が優位に増加していた。この結果は、kobe0065がH-Rasの遷移をstate 1側へずらしstate 1の安定化をはかることにより、Ras-Raf結合を抑制する活性を有することを強く示唆していた。さらに、kobe0065の構造情報に基づき、Tanimoto係数を使用して選抜した50種類の構造類似化合物を用いて同様の試験管内Ras-Raf結合阻害試験を行なった結果、H-Rasに対してkobe0065と同程度の活性を示す3種類のヒット化合物kobe2601,kobe2602,kobe2649が得られた。いずれもkobe0065と同様に濃度依存性のRas-Raf結合阻害活性を示した。kobe0065を含む4種類のヒット化合物の間には共通の母核構造が確認されている。なお、4種類の化合物存在下で、活性型H-ras遺伝子を導入した癌化細胞株NIH3T3細胞のコロニー形成能力を調べたところ、ヒット化合物の癌化形質抑制活性を確認した。
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Research Products
(2 results)