2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトB型肝炎ウイルスの感染機構の解析と創薬への応用
Project/Area Number |
06F06245
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
星野 洪郎 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAHA Manujendra Narayan 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | B型肝炎ウイルス / 感染性 / 細胞培養 / Pseudotypeウイルス / アッセイ系開発 / 中和抗体 |
Research Abstract |
B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus: HBV)は、最も小さいウイルスのひとつである。感染者は世界中で2-3億人いると推定されており、主にアジア・アフリカに感染者が多い。しかしHBVは細胞培養系ではほとんど増殖させることができず、ウイルス学的な解析は進んでいない。ウイルスの感染性を詳細に解析したり、抗ウイルス剤をルーチンの方法を利用して開発することも余り進んでいない。Saha博士は、HBVの感染性をpseudotypeウイルスを用いて定量的に解析する方法を確立したが、一般に流行しているウイルス株にも応用できるように工夫し、さらにこれらのウイルス感染機構の解明を目指した。 HBVの感染している色々の肝がん由来の細胞株やHBV遺伝子を導入した細胞株を用い、HBVのpseudotypeが形成できるか、以前と同様な方法を用いて検討した。またHBV感染の標的細胞を色々な薬剤で処理してその感受性の亢進、あるいは抑制できるか、pseudotypeウイルスを用いて解析した。HBVへの細胞の感受性は、pseudotypeウイルス感染後、細胞がgreen fluorescence protein (GFP)陽性となる程度で判定した。 HBVの外被遺伝子を細胞に導入し、作製したpseudotypeウイルスの細胞の感受性は、細胞を分化させる働きのある薬剤で処理すると亢進した。細胞表面の糖鎖の働きを阻害する薬剤や、細胞表面の荷電を変化させる薬剤の処理で阻害された。HBVの外被タンパクに対する色々の単クロン抗体やヒトのHBs抗体を用い、ウイルスの中和を定量的に検出することができた。HBVに感染している人から由来したがん細胞株AlexanderやJHH-7を用い、HBVのpseudotypeを調整できた。
|
Research Products
(15 results)