2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポリグルタミン病の可逆性神経機能障害関連遺伝子のDNAチップによるスクリーニッグ
Project/Area Number |
06F06252
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
戸田 達史 Osaka University, 医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN Md Siddiqur 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 遺伝子 / 神経科学 / 蛋白質 / 脳神経疾患 / 神経変性疾患 / ポリグルタミン病 / DNAチップ / 神経機能障害 |
Research Abstract |
ポリグルタミン(PolyQ)病は種々の脊髄小脳変性症、ハンチントン病などの神経変性疾患の総称で、異常伸長PolyQ鎖(>40)を持つ原因蛋白質が神経細胞内に封入体として蓄積し、神経機能障害を来たして最終的に細胞死を引き起こすと考えられている。近年、PolyQ病では著明な細胞死が観察される前から神経症状が出現し、さらにそれが可逆的であることから、神経機能障害により発症することが示唆されているが、その詳細な分子機構は未解明である。 本研究ではPolyQ病の可逆性神経機能障害の分子機構を解明するために、培養神経細胞での神経機能障害の出現過程、およびその回復過程における遺伝子発現の変化を解析する。本年度は、昨年度に樹立したテトラサイクリン誘導性に異常伸長PolyQ蛋白質Q81-YFPあるいは正常PolyQ蛋白質Ql9-YFPを発現するPC12細胞株PCl2/Tet-Q81、PCl2/Tet-Ql9について、表現型の解析を行った。その結果、PCl2/Tet-Q19ではQ19-YFPは細胞体にディフーズに分布し、有意な細胞毒性は認めなかったが、PC12/Tet-Q81では発現誘導約2日後からQ81-YFPが封入体として蓄積し始め、約1週間で顕著な細胞毒性を認めた。さらに発現誘導約2日後に再び発現を遮断すると、Q81-YFPの封入体が徐々にクリアランスされ、細胞死から免れることを明らかにした。 以上の結果から、PolyQ病培養神経細胞モデルにおいて可逆性神経機能障害が存在する可能性が示された。
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Research Products
(3 results)