2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06254
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岩瀬 弘敬 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Zhenhuan 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 乳癌 / 癌転移関連遺伝子 / MTA1 / BRMS1 |
Research Abstract |
Metastasis associated gene(MTA)は新規のがん転移関連因子であり、6つの異なる発現型(MTA1、MTA1s、MTA1-ZG29P、MTA2、MTA3、MTA3L)が報告されている。MTA1はエストロゲン受容体(ER)αの転写共役抑制因子として働き、エストロゲン(E)依存性のシグナルを抑制する。また、MTA3はMTAlおよびMTA1sによりERを介して発現が制御されている。一方、BRMSlは乳癌転移抑制因子として発見されており、MTAとのバランスが重要視されている。 今回、手術で得られたヒト乳癌組織、リンパ節での各MTA遺伝子群の発現状況およびMTA強制発現株におけるE依存性増殖と浸潤/増殖能の関連を検討する。 1)原発乳癌組織、咳窩リンパ節組織、乳癌培養細胞株からRNAを抽出し、cDNAを作成する。 2)定量的RT-PCR法にてMTA1、MTA1s、MTA3、BRMSlの発現レベルを検索する。 3)臨床病理学的因子やER、PgR、HER2との相関を検討する。 4)各MTAが個別に認識できるアミノ酸配列から、特異的ポリクローナル抗体を作製し、Western blot法で特異性を検討する。 5)免疫組織化学法で上記と同じ症例の蛋白レベルでの発現を評価する。特に転移陽性の咳窩リンパ節におけるMTA発現検討は蛋白レベルでの検討が主となる。また、BRNSlの発現も検討した。 現在までの結果では、BRMS1は50歳以上、腫瘍径2cm未満、PgR陽性、HER2陰性乳癌で高発現しており、単変量ならびに多変量解析において無病再発生存率を改善する独立した予後因子であることが判明し、発表した(Zhang Z, Iwase H; Clin Cancer Res,2006)。MTA1については蛋白発現とmRNA発現に若干の解離があり、詳細に検討中であり、報告予定である。
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Research Products
(1 results)