2007 Fiscal Year Annual Research Report
ステントグラフト治療を含めた大動脈疾患に対する治療体系の確立
Project/Area Number |
06F06257
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 一也 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BASHAR A.M 浜松医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ステントグラフト / 脊髓虚血 / 対麻痺 |
Research Abstract |
実験に使用するステントグラフトについては、グラフト(市販のwoven Dacronfabric、porosity-150ml/cm^2/min)を購入し、現有のステント作製機を利用してステンレスワイヤー(biocompatible stainless steel wire(316L))から自作した。 15kg程度の成犬(各群5頭、計10頭)を用いて、全身麻酔下にステントグラフト留置の動物実験を行った。A群としてL2〜L5の位置にステントを留置するグループ、B群とし、てA群と同様のステントを下行大動脈(鎖骨下動脈〜T8まで)へ挿入するグループ、の2群に分け比較検討した。 対麻痺の評価は、ジョンソンスケールを用い、直後、1日後、2日後、3日後、1週間後、1ヶ月後と経時的に観察したがA群の2例のみに下肢の筋力低下を認め、対麻痺が現れた例は無かった。1ヶ月後に脊髄を採取して光顕標本、電顕標本を作製し、病理学的検討を加えたが両群に明らかな差は認めなかった。 脊髄虚血による生化学的反応を評価するために、髄液(後頭部から23G針で脳室を刺して採取)と血液中の乳酸を測定した。髄液中の乳酸はA群で実験前が1.7±0.3mmol/L、ステントグラフト留置後15、30、60分で3.1±1.9、3.9±1.1、11.9±2.5mmol/Lであったのに対して、B群では実験前が1.8±0.6mmol/L、ステントグラフト留置後15、30、60分で2.9±1.2、3.4±1.7、3。9±2.0mmol/Lと60分後に有意差を認めた。Neuron-Specific Enolase,Glutamateの測定を経時的に行ったが、各グループに有意差は認めなかった。
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Research Products
(5 results)