2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本における中国礼儀文化の影響-江戸時代を中心として
Project/Area Number |
06F06302
|
Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
池田 知久 大東文化大学, 文学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Q. 大東文化大学, 文学部, 外国人特別研究員
|
Keywords | 江戸儒学 / 基本文献 / 現代研究 / 経典認識 / 先王の礼 / 比較研究 |
Research Abstract |
2006年11月末から2007年5月中旬まで、本研究の展開は下記の如く。 (1)江戸時代思想史における基礎的な文献を購入したりコピーしたりことによって関係資料を収集した。また、江戸時代の知識人、特に江戸儒学者を中心としての文集と文章を読んで、さらに中国の古代経典の中に礼儀文化の概念と制度などを具体的に論ずる関連がある資料を探し、整理していた。主に収集した文献は『日本思想大系』の近世思想の部分、『日本儒林叢書』の全巻、諸儒学者の全集などである。主な作業は江戸時代の思想家である林羅山、山崎闇斎、山鹿素行、伊藤仁斎、荻生但棟などの代表的な学者の文集と文章を読んで、関連する資料を整理していたのである。 (2)一方、もう一部分の作業は江戸時代の思想について現代の日本人研究者の著作を読んで続いて、いろいろ有名な学者の以前の研究と近年の新たな研究成果を収集した。また、これらの研究の中に関連がある論点を幅広くて深く吸収し参考して、自分の研究を展開していた。参考した代表的な研究は、例えば丸山真男(『丸山真男講義録』一、六、七)の近世思想と儒教についての論述、渡辺浩『東アジアの王権と思想』に近世日本儒学と中国の朱子学との比較研究、また子安宣邦『伊藤仁斎の世界』、田尻祐一郎『山崎闇斎の世界』、高島元洋『山崎闇斎:日本朱子学と垂加神道』、小島康敬『徂徠学と反徂徠』などがある。 (3)以上の作業によって、自分の研究テーマが核心問題を囲んでいて具体的に研究を展開し続けていた。例えば、江戸時代の儒者である思想家は中国古代の歴史あるいは経典の中に記していた「先王」と「先王の道」、さらに「先王の礼」に対して、どのように認識したかという問題を具体的に検討していることである。 (4)研究関係資料と文献を調査するために、2007年2月18日から27日にかけて中国の北京へ10日間出張した。中国の伝統礼儀経典の解釈者としての経学者の論説と江戸時代の儒学者の論説を比較的に検討するために、『清経解・続清経解』などの参考文献を購入して,充分に利用するつもりである。
|