2007 Fiscal Year Annual Research Report
差別化社会におけるエイズ孤児のメンターシステムーサハラ以南アフリカ諸国の比較研究
Project/Area Number |
06F06308
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宗像 恒次 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ONUOHA FRANCIS NNANNA 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | エイズ孤児 / メンタリング / メンタルヘルス / メンター |
Research Abstract |
研究目的:エイズ孤児は、父、母とも失うダブル・オーファンになることが多い。またエイズへの偏見、差別から虐待や自殺が多く、精神健康の深刻な問題が一般に知られているが、詳細な科学的調査があまりない。そこで、エイズ孤児の精神健康の関連要因を、戦争、事故などによる孤児や非孤児の場合との間で、比較検討して問題の所在を確認する。また子供の精神健康保持への自然発生型メンターの影響力を検討する。 研究方法:エイズ孤児952名、平均14歳(7〜17歳)(ウガンダ人459名、南アフリカ人492名)、その他の孤児287名、非孤児290名を対象に構造面接調査法を実施する。使用尺度は、GHQ-28精神健康度,CES-D抑うつ、社会的支援、自己価値感、DASM差別、CSA虐待、MRIメンター役割である。 結果と考察:孤児は、非孤児と比較して、有意に抑うつ・神経症症状が強い、特にエイズ孤児はその症状が顕著であり、またエイズ孤児は72%が両親ともに欠け、被虐待と被差別体験の多さ、親や社会的支援認知や自己価値感の低さが特徴である。またメンターをもっているエイズ孤児はそうでない場合に比べ、精神健康が良好に保持される傾向を示した。エイズ孤児のメンタルヘルス対策に、メンタリングが有効であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)