2008 Fiscal Year Annual Research Report
金融自由化とマクロ経済-日本の経験および中国への示唆
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06F06313
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
古川 顕 Konan University, 経済学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Ling 甲南大学, 社会科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | リレーションシップ・レンディング / リファイナンス行動 / 無期限繰り返しゲーム / 部分ゲーム完全均衡 |
Research Abstract |
今年度は、引き続きリレーションシップ・レンディングに関する理論的・実証的な研究を行いました。 本論文の分析を簡単に紹介します。まず、第一ステップとして、ゲーム理論モデルを構築して、長期継続的な取引関係と銀行のリファイナンス行動との関連性を理論的に説明しました。そして、第二ステップとして、ミクロ・データを用いて、各企業とそのメインバンクをリンクして、実証分析を行いました。 理論モデルでは、ゲーム理論の手法を用いて、長期継続的な取引関係と銀行のリファイナンス行動との関連を分析しました。無期限繰り返しゲームの枠組みのもとで、リレーションシップ・レンディングのことを考えてみました。ゲームの類型は、貸出市場における情報完備かつ情報完全の動態ゲームにしました。 モデルは、仮定条件の下で、(借りる、貸す)という戦略の組み合わせは部分ゲーム完全均衡にもなるという結果を示した。さらに、このモデルの結果は、いくつかのインプリケーションがあります。 第一は、不振企業にリファイナンスして、取引関係を継続することは銀行の合理的戦略となり得ることです。しかも、均衡として生じることもできます。 第二は、次期に取引関係を継続する可能性は今までの継続性に依存します。 第三は、合理的な戦略は、必ずしも効率的とは限らないことです。 実証分析の結果は理論モデルの結果を支持するものでした。
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Research Products
(1 results)