2008 Fiscal Year Annual Research Report
計算機代数(記号・代数的計算)の基礎理論とその数学研究および工学等への応用
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06F06324
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
横山 和弘 Rikkyo University, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XAVIER Dahan 九州大学, 数理学研究院, 助教
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Keywords | グレブナー基底 / モジュラー技法 / 計算機代数 / 係数評価 |
Research Abstract |
計算機代数における重要なテーマである多項式イデアル計算において効率的な計算を達成するために、外国人特別研究員Dahan氏の計算量解析と代表者の持つ実際的計算法との結合を試みました。前年度に引き続き、主たるテーマとして、(1)有限群の不変式環等の効率的計算法の設計を計算量評価を基礎に行う、(2)上記の計算法やそこでの効率化技法の応用として、対称性を持つ多項式イデアルの構造解析への適用を探る、を考えました。 ここでの基本方針は、(a)計算対象は主としてグレブナー基底とする、(b)効率化としてモジュラー技法と呼ばれる技法に焦点をあて、とくにその代表であるHensel構成と補間法の両面に関しての研究を行なう、の2点でした。(1)では、有限群のよる不変式環の計算において、特殊な場合ではありますが、有効的な適用を発見し、現在一般の場合への改良を行っています。Xavier氏は特別研究員を辞めた後に、九州大学に勤務し、この研究は継続する予定です。また、モジュラー技法の適用上、最も重要な「有理数への引き戻し」に関して、より厳密な係数評価が求められますが、Xavier氏は0次元多項式イデアルの辞書式順序のグレブナー基底の係数に関して詳細な評価を得、速報を国際会議で発表し、さらに完成した論文を計算数学では最も注目されている査読付国際会議に投稿し、受理されました。また、Xavier氏は従来からのSchost博士らとの共同研究の成果を論文としてまとめ、国際雑誌に掲載されました。研究は(1)の範疇に留まり、(2)への応用まで到りませんでしたが、引き続き共同研究を続ける予定です。
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Research Products
(1 results)