2007 Fiscal Year Annual Research Report
圧縮性粘性流体の方程式の解に対する大域存在と長時間挙動
Project/Area Number |
06F06326
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 昭孝 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Jing 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | ナヴィエ・ストークス方程式 / 圧縮性粘性気体 / 時間大域解 / 漸近挙動 / 接触不連続 / 希薄波 / 境界層解 / 初期値境界値問題 |
Research Abstract |
研究者代表者松村は、外国人特別研究員Li Jing氏との協力のもと、まず、圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式の近似方程式であるストークズ近似方程式の空間2次元における初期値問題の時間大域解(大域解の存在自体はリオンズやカジコフにより証明されている)の質量密度について一様有界であること及び、初期時刻において真空状態があれば密度の導関数は時間共に爆発して行く事を証明した。これは、Li Jing氏がJ. Differential Equations Vol. 221, 275-308, 2006において発表した有界領域上での結果の空間全体上への拡張である。その後、粘性理想気体の一次元運動を記述する3×3の圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式系の初期値問題を考察し、非粘性部分のオイラー方程式のリーマン問題が接触不連続波と希薄波で構成される場合、対応する粘性接触波と希薄波の一次結合の合成波がその波の強さが適当に小さければ漸近安定であることを証明した。単一の粘性接触波の漸近安定性の問題は、長きにわたり未解決な問題であったが、最近中国のXin, Huang, Yang氏等や松村との共同研究により、解決された。しかしながら、方程式系を一度積分した系を用いた複雑な計算が必要であったため、希薄波との合成波については未解決の問題として残っていた。今回、積分した方程式を用いない新たな手法を発見し、この問題を解決したものである。また、単独の一次元粘性保存則系の半空間上での初期・境界値問題を考察し、これまであまり考察されていなかった流束が凸関数でない場合についても、定常境界層解と希薄波の合成波が漸近安定であることを希薄波が適当に小である条件下で示した。
|
Research Products
(4 results)