2006 Fiscal Year Annual Research Report
QCDに基づくストレンジネスを含むメソンとバリオンの相互作用の計算
Project/Area Number |
06F06327
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡 真 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ERKOL Guray 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 強い相互作用 / 量子色力学 / カイラル対称性 / QCD和則 / クォーク / グルーオン / ハドロン / バリオン |
Research Abstract |
強い相互作用の理論である量子色力学(QCD)の非摂動論的研究方法の1つであるQCD和則を主な手段として用いて、本年は下記の通りバリオンとその励起状態の結合定数に関する研究を行った。 (1)ストレンジネスを含むメソンとバリオンの結合定数のQCD和則による決定。 (2)励起バリオンの結合定数へのQCD和則の応用。 これらはいずれも、原子核ハドロン物理における基本的な量であるが、それを非摂動論的QCDに基づいて定量的に研究することにより、原子核ハドロン物理の基盤を確立することが可能となる。 主な成果を挙げると 1.QCD和則によるストレンジネスを含むバリオン・メソン相互作用の定量的研究 QCD和則に背景場の方法を用いて、メソンとバリオンの結合定数を求めた。8重項バリオンに関する和則では、SU(3)極限での結合定数と、その破れの度合いを検討した。これまでに現象論的なナイメヘンポテンシャルなどに用いられている結合定数とほぼ無矛盾であるが、さらにSU(3)の破れについて検討が必要であることを示した。 2.励起バリオンの幅の効果を見積もるための研究 この研究では、QCD和則で従来ゼロ幅近似が多く用いられているが、Breit Wignerの幅を考慮した場合に和則の評価がどう変わるかに注目して、スピン3/2バリオン状態の解析を行った。その結果、幅の効果は基底状態のバリオンに関しては10%程度の効果であるが、励起状態、負パリティ状態には大きな効果をもたらすことが分かった。励起状態や負パリティ状態の幅の定量的な見積もりも行った。
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Research Products
(8 results)